【たんこぶ】赤ちゃん・子どもの「たんこぶ・頭部打撲」—受診の目安と「その後」の注意点|季節の特集
小児一般、小児救急・野田 慶太先生
【行楽シーズン】赤ちゃん・子どもの「たんこぶ・頭部打撲」について
暖かな春の行楽シーズン、家族での外出や公園遊びが増える時期ですね。活発に動き回るお子さんにとって、転倒や転落による「頭のケガ」は避けて通れないトラブルの一つです。「おでこに大きなたんこぶができた」「赤ちゃんが椅子から落ちて頭を打った」そんな時、パニックにならずに冷静に対応できるよう、小児科医の視点から「本当に危ないサイン」と「受診後の過ごし方」をまとめました。
1.「たんこぶ」ができたら、まず何をすべき?
頭を打ってすぐに泣き出し、大きなたんこぶができた場合、まずは冷やすことが基本です。冷やすことで内出血を抑え、痛みを和らげることができます。保冷剤をタオルで包むか、冷たい濡れタオルを当てましょう。ただし、たんこぶが「ブヨブヨ」と柔らかい場合や、一部がへこんでいる場合は、頭の骨が骨折している可能性があるため、早めに脳神経外科や小児科を受診しましょう。
2.「受診の目安」—これだけはチェック!
以下の症状がある場合は、迷わず救急外来を受診してください。 ・意識がおかしい —呼びかけに反応が鈍い、視線が合わない、ぐったりしている ・繰り返し吐く —2回以上吐くのは、脳の圧力が上がっているサインです ・けいれん —手足がガクガクと震える ・顔色が悪い —唇が青白い、ぐったりして活気がない ・激しい頭痛 —時間が経つにつれて強くなる頭痛 ・鼻や耳から血や透明な液体が出る ・言動がおかしい —ろれつが回らない、つじつまの合わないことを言う 特に1歳未満の赤ちゃんは、頭蓋骨が柔らかく症状が出にくいため、床やベッドなどからの転落でも注意が必要です。また、1メートル以上の高さから落ちた場合や、階段から転落した場合は、必ず受診してください。
3. 病院で「経過観察」と言われた後の過ごし方
受診して「今日は大丈夫」と言われてた場合も、24時間は注意する必要があります。頭の中の出血は、打った直後ではなく数時間かけてじわじわと進むことがあるからです。 『激しい運動やお風呂は控える』—血流が良くなると内出血を助長する可能性があります。当日はシャワー程度にとどめ、静かに過ごしましょう。 『夜間のチェック』—寝ている間に容体が急変していないか、2~3時間おきに呼吸や顔色の様子を確認してください。無理に起こす必要はありませんが、呼吸が規則正しいか、顔色に異常がないかを見守りましょう。 『翌日の変化に注目』—翌朝、食欲があるか、普段通り元気に遊んでいるかを確認して、初めて一安心と言えます。 特に以下の症状が出た場合は、すぐに再受診してください。 ・吐き気や嘔吐が始まった ・頭痛が強くなってきた ・歩き方がおかしい、ふらつく ・ぐったりしてきた、元気がない
4.専門家が教える「CT検査」の判断基準
「念のためにCTを撮ってほしい」と希望される親御さんも多いですが、小さなお子さんにとって放射線被曝のリスクは無視できません。現在のガイドラインでは、意識がはっきりしており、嘔吐などの症状がない場合は、むやみにCTを撮らずに「厳重な経過観察」を行うことが推奨されています。医師は、受傷機転〈どのように頭を打ったか〉、意識状態、嘔吐の有無、頭蓋骨骨折の兆候などを総合的に判断してCT検査の必要性を決めます。
最後に
おでこのたんこぶを見て、「自分の不注意で…」と落ち込む必要はありません。大切なのは、その後しっかりと経過を見ていただくことです。この記事を参考にしていただき、慌てずに対応していただければと思います。