こそだてドクターのおはなし

【胆汁鬱滞】赤ちゃんの白目が黄色い?生後2週間を過ぎても「黄疸」が続く時のサイン|こどもの病気とホームケア

小児一般、小児救急・野田 慶太先生

掲載日:2026年4月15日

胆汁鬱滞(たんじゅううったい)ってご存じですか?

生まれたばかりの赤ちゃんに「黄疸(おうだん)」が出るのはよくあることですが、もしその黄疸がなかなか消えなかったり、生後2週間を過ぎても続いていたりしたら……それは「胆汁鬱滞(たんじゅううったい)」のサインかもしれません。 今回は、赤ちゃんの健やかな成長を守るために知っておいてほしい、肝臓の「出口」のトラブルについて解説します。

胆汁は「黄金の消化液」

私たちの体にある肝臓は、毎日「胆汁(たんじゅう)」という液体を作っています。 胆汁には、脂肪の消化を助けたり、体の中の不要な物質(ビリルビンなど)を運び出したりする大切な役割があります。 通常、胆汁は肝臓から「胆管(たんかん)」という細い管を通って十二指腸へと流れ出ます。しかし、この流れがどこかでせき止められ、肝臓の中や血液中に胆汁の成分が溜まってしまう状態を「胆汁鬱滞」と呼びます。

見逃したくない「3つのサイン」

赤ちゃんが胆汁鬱滞を起こすと、体にははっきりとした変化が現れます。 ①『消えない黄疸』:顔や白目がいつまでも黄色い状態が続きます。特に生後2週間(母乳栄養児では3週間)を過ぎても黄疸が続く場合は要注意です。 ②『便の色が薄い』:胆汁は便に「茶色〜黄色」の色をつけています。流れが悪いと、便の色が白っぽくなったり、クリーム色や薄い黄色になったりします。 ③『おしっこの色が濃い』:血液中に漏れ出した胆汁成分のせいで、おしっこが濃い茶色になることがあります。

なぜ流れが止まってしまうの?

原因はいくつかありますが、特に注意が必要なのが、生まれつき胆管が閉じてしまっている「胆道閉鎖症(たんどうへいさしょう)」です。また、肝臓の中の細い胆管が少ない「アラジール症候群」などの病気もあります。 これらは、早期に発見して手術や適切な治療を行わないと、肝臓が硬くなる「肝硬変」へと進んでしまうため、スピード勝負になります。ほかにも、代謝の病気や感染症が原因で起こることもあります。

治療とケアのポイント

原因によって治療法は異なりますが、共通して大切なのは栄養管理です。 胆汁が出にくいと、脂肪や脂溶性ビタミン(A、D、E、K)がうまく吸収されません。そのため、特別なミルクを使ったり、ビタミン剤を補ったりして、赤ちゃんの成長をサポートします。

最後に

赤ちゃんの黄疸が長引いているとき、「母乳性黄疸かな?」と様子を見てしまうことも多いですが、その影に胆汁鬱滞が隠れていることがあります。 母子手帳にある便色カードを時々チェックしてみてください。「いつもより色が薄いかも?」と少しでも感じたら、ためらわずに小児科を受診しましょう。