【ルビンシュタイン・テイビ】赤ちゃんのサイン…幅広の親指と愛らしいお顔立ちの特徴|みんなで支える、こどもの未来
小児一般、小児救急・野田 慶太先生
ルビンシュタイン・テイビ症候群ってご存じですか?
赤ちゃんの成長を見守る中で、「他の子に比べて少し発達がゆっくりかな?」「親指の形が少し個性的かも?」と感じることはありませんか。今回は、そんな特徴を持つことがある「ルビンシュタイン・テイビ症候群」について、わかりやすく解説します。
どんな病気?
この症候群は、1963年にルビンシュタイン医師とテイビ医師によって報告された、生まれつきの体質です。約10万〜12万5千人に1人の割合で見られ、多くは遺伝子(CREBBP遺伝子やEP300遺伝子)の変化が原因で起こります。「遺伝」という言葉に不安を感じるかもしれませんが、ほとんどの場合(約99%)はご両親から受け継いだものではなく、その子自身の代で初めて起こったもの(新生突然変異)です。
見られる特徴とサイン
この症候群には、いくつか共通しやすい特徴があります。 ・手足の特徴:もっとも特徴的なのは「幅が広くて平らな親指や足の親指」です。少し外側に反っていることもあります。 ・お顔立ちの印象:アーチ型の眉毛、長いまつ毛、少し下向きの目尻、鼻筋が低めで鼻先が下を向いているなど、優しく愛らしい印象のお顔立ちのことが多いです。 ・ゆっくりとした発達:言葉が出始める時期や、歩き始める時期が全体的にゆっくり進みます。知的発達もゆっくりなことが多いです。 ・低身長と小頭症:身長の伸びや頭囲の成長が緩やかである傾向があります。
健康面で気をつけてあげたいこと
お子さんによって症状はさまざまですが、成長の過程でいくつか注意して見守りたいポイントがあります。 ・食べる力:赤ちゃんの頃、ミルクを飲み込むのが苦手だったり、吐き戻しやすかったり(胃食道逆流症)することがあります。 ・目や耳のトラブル:逆さまつげや涙の通り道が詰まりやすいこと(鼻涙管閉塞)、また中耳炎を繰り返しやすい傾向があります。 ・心臓のチェック:約3割のお子さんに、生まれつき心臓に小さな穴が開いているなどの異常が見られるため、一度しっかりと心臓の検査(心エコーなど)をしておくことが大切です。 ・その他:腎臓や尿路の異常、停留精巣(男児)、てんかんなどが見られることもあります。
成長とサポート
「将来はどうなるの?」と心配されるご両親も多いでしょう。この症候群のお子さんたちは、とても人懐っこく、明るく穏やかで社交的な性格をされていることが多いと言われています。 根本的に遺伝子を治す治療法はまだありませんが、「早期からのリハビリテーション(療育)」がとても効果的です。言葉の練習(言語療法)や、体の動かし方のサポート(理学療法・作業療法)を早い段階から受けることで、その子が持つ可能性を最大限に引き出してあげることができます。
最後に
ルビンシュタイン・テイビ症候群のお子さんは、ゆっくりですが確実に一歩ずつ成長していきます。私たちは、その子の「できないこと」に目を向けるのではなく、「その子らしさ」を大切にしながらサポートに当たります。 「うちの子もそうなのかな?」と気になったり、診断を受けて不安だったりするときは、いつでも相談してください。まずは、お子さんの今の様子を一緒にじっくり見守ることから始めましょう。