こそだてドクターのおはなし

【溶連菌感染症】知っておきたい検査と治療|こどもの病気とホームケア

新生児、小児一般・中澤祥子先生

掲載日:2026年4月15日

溶連菌感染症について

溶連菌とは、一般的にA群β溶血性連鎖球菌という細菌の一つです。のどに感染すると、のどが真っ赤に腫れて激しい痛みとともに発熱することが多いです。溶連菌感染症は、冬および春から夏にかけて多い感染症で、小児、成人にかかわらずさまざまな症状で発症します。特にのどに感染すると(咽頭炎)、熱が出て、のどは真っ赤に腫れて激しく痛み、腹痛や吐き気、体に発疹がでることもあります。また適切に診断されずに放っておくと、関節炎やリウマチ熱や腎臓に炎症を起こすこともあるため注意が必要です。

診断方法

ではどのように診断するのでしょうか?溶連菌の咽頭炎はのどを綿棒でこするだけですぐに検査できます。さらに詳しい検査が必要な場合は血液検査を行うこともあります。

治療と感染性

治療は、溶連菌に合う抗菌薬をしっかり1週間から10日間飲みきることで治ります。 熱が下がって24時間たてば他の人にうつすことはありません。 残念ながらこの菌は1回かかってもまた感染することがありますが、しっかりと治療すればすぐに治ります。

保菌について

また余談ですが熱はなく元気だけど、周りで流行しているからと溶連菌の検査をしたら陽性で、保育園に通園できなくなった。こんなことはありませんか。これは「保菌」といってのどに溶連菌がくっついているだけで、特に悪さをしていない状態です。

検査と治療の考え方

この場合、必ずしも抗生剤加療が必要ではありません。溶連菌が体内で増殖し発熱などの症状を来した状態を「感染」「発症」といい、抗生剤加療の適応となります。過去の研究で、日本の学校で子どもののどにいる菌をしっかり調べたところ(培養検査)、15-30%がのどに溶連菌は持っているけど特に症状を起こしていない「保菌」者であることがわかりました。

注意点

保育園の場合は10-20%が保菌者でした。また、ただの保菌者から他の人に感染する報告はまれといわれており、仮にただの保菌者から感染しても感染力は弱く、菌がいる期間は短いです。しかし迅速検査で溶連菌がのどにいるかいないかだけを調べると、検査結果は陽性(=溶連菌がのどにいる)と出てしまうので、本当に感染しているかどうかにかかわらず溶連菌の報告数は増えており、不要な抗菌薬治療が増えています。

まとめ

溶連菌咽頭炎の診断は症状(発熱、のどの痛み)、診察所見(のどの赤さ、咳がないこと、首のリンパ節の腫れ、発疹など)をメインに総合的に評価します。あきらかに元気で熱もなく検査陽性をくり返している場合は、溶連菌をただのどに持っている、保菌の可能性がありますので、一度その可能性についてかかりつけの先生にも確認してみてください。