こそだてドクターのおはなし

【クループ症候群】子どものケンケン咳。早めの相談で安心な夜を…|こどもの病気とホームケア

小児一般・京極都先生

掲載日:2026年4月15日

クループ症候群とは

クループ症候群は、6か月~3歳頃の乳幼児によく見られる呼吸器の病気です。主にウイルス感染が原因で、のどの奥の声帯の下の部分(声門下)が炎症やむくみを起こすことで発症します。原因となる代表的なウイルスはパラインフルエンザウイルスですが、インフルエンザウイルスやRSウイルス、アデノウイルスなどでも発症することがあります。

どのような症状?

のどの奥の炎症により、『犬の遠吠えのような「ケンケン」とした咳(オットセイの鳴き声のように聞こえることもあり)』『声のかすれ(嗄声)』『息を吸うときのゼーゼー音(吸気性喘鳴)』が現れます。特に夜間に症状が悪化する傾向があり、呼吸が苦しそうに見えるため、保護者の方がとても驚いて受診されることがよくあります。

治療方法と受診の目安

軽症の場合は、自宅で加湿をし、泣くと悪化しやすいため、抱っこして落ち着かせ安静にして十分な水分をとるだけで数日で良くなります。ただし、以下のような症状がある場合は医療機関を速やかに受診してください。 ・呼吸が苦しそうで胸やお腹がへこんでいる ・顔色が悪い、唇が紫色になる ・泣き声や声が極端に弱くなっている ・水分が取れない 医療機関では、ステロイドやアドレナリンの吸入により、炎症やむくみを抑え呼吸を楽にします。呼吸がかなり苦しい場合には、入院が必要となることもあります。 ほとんどの子どもは数日で自然に回復しますが、夜間に急に悪化する可能性があるため、家庭で注意深く観察することが大切です。

最後に

クループは子どもにとって身近な呼吸器感染症で、数日で良くなる病気ですが、夜間に増悪しやすく、また特徴的な咳から保護者にとって非常に不安に思われやすい病気です。しかし、適切な対応を知っていれば、安心して乗り切ることができます。ご家庭では「受診の目安」を覚えておき、不安なときには早めに医療機関を受診するようにしましょう。