【麻疹(はしか)】家族を守る!ワクチンでつくる強い免疫|こどもの病気とホームケア
小児一般、小児救急・野田 慶太先生
麻疹はどんな病気?
麻疹は、「麻疹ウイルス」というウイルスによって引き起こされる感染症です。 このウイルスは、空気中を漂ったり、咳やくしゃみの飛沫に含まれたりして、あっという間に多くの人にうつります。その感染力はインフルエンザなどと比べても非常に高いのが特徴です。
麻疹にかかるとどうなるの?
麻疹にかかると、だいたい10〜12日ほど経過してから症状が出始めます。 最初は熱が出て、咳、鼻水、目の充血といった、風邪に似た症状が数日間続きます。この頃、口の中に白い小さな斑点(コプリック斑)が見られることがあり、麻疹にとても特徴的な所見です。 その後、熱が一度下がったかと思うと、再び高熱が出て、それとほぼ同時に顔や体中に赤い発疹が出てきます。この発疹は、次第に全身に広がっていきます。 麻疹は肺炎や脳炎といった重い合併症を引き起こすこともあり、命にかかわることもあります。特に、免疫力が十分でない赤ちゃんや持病のある方などは注意が必要です。
麻疹は治せるの?
残念ながら、麻疹ウイルスに直接効く特別な薬はありません。 治療は、熱や咳などの症状を和らげるための対症療法が中心となります。 熱が高ければ解熱剤を使ったり、肺炎などを起こせばその治療をしたりします。 大切なのは、しっかりと体を休め、水分や栄養を補給することです。
麻疹から身を守るには?
最も効果的な予防法は「ワクチン接種」です。 麻疹ワクチンは、麻疹ウイルスに対する免疫(抵抗力)を作ることで、病気にかかるのを防いだり、かかっても軽く済ませたりする効果があります。 日本では、麻疹と風疹の混合ワクチン(MRワクチン)が定期接種として決められており、生後12ヶ月から1回目の接種、小学校に入学する前の年に2回目の接種を行います。 この2回の接種をすることで、ほとんどの方が一生涯にわたる免疫を獲得できると考えられています。
もし麻疹が疑われるときは
もし、周りで麻疹にかかった人がいたり、ご自身やご家族に麻疹のような症状(高熱と発疹)が出たりした場合は、まずかかりつけの小児科や医療機関に電話で相談してください。 麻疹は感染力が非常に強いため、直接病院に行くと待合室などで他の人にうつしてしまう危険性があります。そのため、事前に連絡をして、受診方法について指示を仰ぐことが大切です。
最後に
麻疹は決して軽視できる病気ではありません。 しかし、ワクチンを接種することでしっかりと予防できる病気でもあります。 お子さんだけでなく、大人の方も自分の接種歴を確認し、もし接種していなければ、医師に相談して接種を検討してみましょう。 私たち一人ひとりが予防に努めることで、麻疹のない社会を目指していきたいですね。 何か心配なことがあれば、いつでもかかりつけの小児科医にご相談ください。