こそだてドクターのおはなし

【子どものてんかん】適切な治療で守る健やかな成長|みんなで支える、こどもの未来

小児一般、小児救急・野田 慶太先生

掲載日:2026年3月31日

子どもの「てんかん」ってどんな病気?〜一人で悩まず、正しい理解とサポートを〜

お子さんが「てんかん」と診断され、驚きや不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。「てんかん」と聞くと、突然倒れて全身がけいれんする、というような発作を想像するかもしれませんが、実は様々なタイプの発作があり、このようなけいれんだけとは限りません。 てんかんは、脳の神経細胞が一時的に過剰に興奮することで、発作を繰り返す病気です。子どもから大人まで、誰にでも起こる可能性がありますが、特に子どもの発症が多いと言われています。 このコラムでは、子どものてんかんについて、発作の種類や治療、そしてご家族に知っておいていただきたいことについてお話しします。

どんな症状があるの?

てんかんの発作は、けいれんだけではありません。お子さんの様子を注意深く観察することが、早期発見につながります。 全身のけいれん:最もよく知られている発作のタイプです。手足を突っ張らせたり、ガクガクさせたりします。意識を失うことがほとんどです。 一瞬、意識がなくなる:ボーっとしたり、呼びかけに反応しなくなったりします。数十秒で終わり、本人も覚えていないことが多いです。 体の特定の部分がピクピクする:顔や腕、足など、体の一部だけがけいれんします。意識は保たれていることもあります。 意味のない行動を繰り返す:口をモグモグさせたり、服のボタンをいじったり、同じ場所をウロウロしたりします。 このような症状が繰り返し見られる場合、てんかんが疑われます。少しでも「いつもと違う」と感じることがあれば、動画を撮って医師に見せるのも良い方法です。

治療と長期的な見通し

てんかんの治療は、主に内服薬で行います。適切な薬を飲み続けることで、多くのお子さんが発作をコントロールできるようになります。てんかんは、発作がなければ、日常生活を普通に送ることができます。しっかりとコントロールできていれば、学校の体育や水泳なども多くの場合で可能です。 心配なのは、薬の副作用ですが、医師と相談しながら、お子さんに合った薬を見つけていきます。自己判断で薬を中断することは、発作を再発させる原因になりますので、絶対に避けてください。 また、子どものてんかんは、成長とともに自然と治るタイプも少なくありません。焦らず、根気よく治療を続けることが大切です。

ご家族へのメッセージ

てんかんの診断を受けたとき、ご家族は大きなショックを受けるかもしれません。しかし、てんかんは特別な病気ではありません。適切な治療を受ければ、お子さんは健やかに成長できます。 大切なのは、一人で抱え込まず、かかりつけの小児科医やてんかんの専門医に相談することです。学校や保育園の先生にも病気のことを伝え、理解と協力を得ることも大切です。お子さんが発作を起こしたときの対応方法を周りの人と共有しておきましょう。 てんかんのお子さんを支えるには、ご家族の冷静な理解と愛情が必要です。どうぞ、過度に心配しすぎず、お子さんの個性を大切に、温かく見守ってあげてください。