こそだてドクターのおはなし

【手足口病】受診のタイミングと脱水のサイン|こどもの病気とホームケア

小児一般、小児救急・野田 慶太先生

掲載日:2026年3月31日

手足口病かな? と思ったら:手足口病の正しい知識と対処法

暑い季節になると、お子さんの手や足に赤い発疹や小さな水ぶくれを見つけて「これは何だろう?」と心配になる親御さんも多いのではないでしょうか。その原因として多いのが、夏風邪の1つである「手足口病」です。

手足口病ってどんな病気?

手足口病は、主にエンテロウイルスというウイルスが原因で起こる感染症です。名前の通り、 手のひら、足のうら、そして口の中に、2~3mmの小さな水ぶくれや発疹が現れるのが特徴です。また、腰〜お尻にも発疹ができることがあります。 熱が出ることもありますが、多くは37~38℃台とそこまで高くならない、あるいは熱が出ない場合もあります。そのため、発疹が最初に見つかって病気に気づくことも珍しくありません。

感染経路と流行時期

手足口病は5月から8月にかけて流行します。特に、乳幼児が感染しやすく、感染者の約9割は5歳未満のお子さんです。

感染経路は?

・飛沫感染:くしゃみや咳で飛び散ったウイルスを吸い込むことによって        感染します。               ・接触感染:ウイルスがついた手で口や鼻を触ったり、おもちゃを共有し       たりすることで感染します。 ・糞口感染:便の中に排泄されたウイルスが、適切に洗浄されないことな       どによって口から入って感染します 。 特に、便の中のウイルスは症状が治まった後も数週間にわたって排出されることがあるため、注意が必要です。

治療とおうちでの過ごし方

手足口病に特効薬はなく、発疹や痛みを和らげる対症療法が中心になります。発熱や口内の痛みがある場合は、熱を下げる薬や痛み止めの薬が処方されることがあります。 ご家庭でのケアで最も大切なのは、お子さんがしっかり水分を摂れているか確認することです。口の中にできた水ぶくれや潰瘍が痛むため、食事や飲み物を嫌がることがよくあります。 そんな時は、以下のような工夫を試してみてください。 ・水分補給: イオン飲料や冷たいお茶、牛乳、冷めたスープなど、口当た       りの良いものをこまめに摂取するようにしましょう。 ・食事: 喉ごしが良く、柔らかいものがおすすめです。ゼリー、プリン、     豆腐、冷ましたお粥などが食べやすいでしょう。熱いものや酸       味、塩味の強いものは刺激になるので避けることをおすすめしま     す。

予防と登園・登校について

手足口病は非常に感染力が強いため、手洗いが最も重要です。特に、おむつ交換の後や食事の前には、流水と石鹸を使ってしっかり手を洗いましょう。タオルの共用も避けるようにしてください。 手足口病には、法律で定められた明確な登園・登校の基準はありません。一般的には、発熱や発疹が治まり、お子さんの全身状態が良ければ登園・登校が可能とされています。無理をさせず、回復を待ってから登園・登校するようにしましょう。

最後に

手足口病は、ほとんどの場合、特別な治療をしなくても数日で回復する病気です。しかし、水分が全く摂れない、ぐったりしている、けいれんを起こした、熱が下がらないといった場合は、すぐに医療機関を受診してください。不安なことがあれば、いつでもかかりつけの小児科医に相談してください。