【IgA腎症】尿検査で異常が出た時の受診の目安|こどもの病気とホームケア
小児一般、小児救急・野田 慶太先生
小児科医が解説! 子どものIgA腎症ってどんな病気?
学校の尿検査で「尿潜血」や「尿蛋白」を指摘され、精密検査の結果、「IgA腎症」と診断されて、不安に感じている保護者の方もいらっしゃるかもしれません。 今回は、IgA腎症がどのような病気なのか、分かりやすく解説します。
IgA腎症ってどんな病気?
IgA腎症は、腎臓の病気の一つです。 私たちの体には細菌やウイルスから体を守る「免疫」という仕組みがあります。この免疫に関わる物質の一つに「IgA」という抗体があります。 IgA腎症では、このIgAが腎臓の糸球体(しきゅうたい)と呼ばれるフィルターの役割をしている部分に異常に沈着し炎症を起こしてしまいます。この炎症が長く続くと腎臓の働きが少しずつ低下してしまう病気です。
どんな症状が出るの?
子どものIgA腎症の多くは自覚症状がありません。 そのため、学校の尿検査で尿潜血や尿蛋白が偶然見つかることがほとんどです。 風邪をひいたり、扁桃腺が腫れたりした後に、一時的にコーラのような色の尿が出ることがありますが、これもIgA腎症で見られる症状の一つです。
診断と治療について
IgA腎症の診断は、尿検査の異常が続く場合に腎生検という精密検査で確定します。これはお腹から細い針を刺して腎臓の組織をほんの少しだけ採取し、IgAの沈着を確認する検査です。 IgA腎症と診断された場合でもすぐに治療が必要になるわけではありません。まず、病気の進行度や症状の重さを詳しく調べます。 治療が必要な場合は、主に以下のような方法がとられます。 ・ステロイド治療:腎臓の炎症を抑えるためにステロイドという薬を使います。 ・その他のお薬:血圧を下げるお薬や腎臓の負担を減らす薬を使うこともあります。 ・扁桃摘出術:扁桃腺がIgA腎症の原因となるIgAを作る場所の一つと考えられており、摘出することで病気の進行を抑える効果が期待できるとされています。しかし、この治療法については慎重な検討が必要であり、すべての子どもに推奨されるわけではありません。
IgA腎症と診断されたら
IgA腎症と診断されると「長期間の治療が必要になるのではないか」「将来人工透析が必要になるの?」と心配される方もいらっしゃるかもしれません。 しかし、子どものIgA腎症は、大人に比べて病気の進行がゆっくりであることが多く、早期に発見して適切な治療や経過観察を行うことで健康な生活を送っている方がたくさんいらっしゃいます 大切なのは、定期的に病院を受診し、尿検査や血液検査をきちんと受けることです。また、過度な運動は腎臓に負担をかける可能性があるため、激しいスポーツは控えるように言われることもあります。 IgA腎症は早期に発見して適切に対応すれば、将来の腎臓の機能を守ることができる病気です。もし尿検査の異常を指摘されたら、かかりつけの小児科医に相談し、専門の先生に診てもらいましょう。