【消化管アレルギー】長引くお腹の不調との上手な向き合い方
小児一般、小児救急・野田 慶太先生
「消化管アレルギー」とは ー「食物アレルギー」との違いについてー
「食物アレルギー」という言葉はよく耳にすると思いますが、「消化管アレルギー」という言葉は初めて、という方もいらっしゃるかもしれません。食物アレルギーというと、じんましんやかゆみ、呼吸が苦しくなるといった症状を思い浮かべる方が多いと思います。しかし、食物アレルギーには、皮膚や呼吸器だけでなく、おなか(消化管)に症状が強く出るタイプがあります。これを「消化管アレルギー」と呼びます。 このコラムでは、消化管アレルギーの主な症状と、ご家庭で気をつけたいことについて説明します。
消化管アレルギーってどんな病気?
消化管アレルギーは、特定の食べ物を食べた後に、その食べ物がアレルゲン(アレルギーの原因物質)となって消化管の炎症を引き起こす病気です。赤ちゃんや小さなお子さんに多く見られます。 一般的な食物アレルギーが食べた後すぐに症状が出る「即時型」であるのに対し、消化管アレルギーは食べてから数時間から数日経ってから症状が出る「遅発型」のことが多いのが特徴です。そのため、何が原因か分かりにくく、診断が難しい場合があります。
主な症状は?
消化管アレルギーの症状は、お子さんの年齢や体質によって様々です。代表的な症状としては、以下のようなものが挙げられます。 新生児・乳児期: ・うんちの異常:血が混じる、粘液が多い、ゆるい下痢が続くなど。 ・嘔吐:何度も吐く、ミルクや特定の物を摂取した後に吐くなど。 ・体重が増えない:栄養がうまく吸収できず、体重の増加が悪くなることがあります。 ・機嫌が悪い、ぐずる:お腹の不快感から機嫌が悪くなることがあります。 幼児期: ・腹痛:繰り返しお腹を痛がる。 ・吐き気や嘔吐:食べた後に気分が悪くなったり、吐いたりする。 ・便秘や下痢:便の状態が不安定になる。 これらの症状は、胃腸炎や便秘など、他の病気でも見られる症状と似ているため、「もしかして…?」と思ったら、食べたものと症状が出るまでの時間を記録しておくことが診断の手がかりになります。
診断と治療について
消化管アレルギーの診断は、食べたものを制限する「除去試験」や、原因が疑われる食べ物を少しずつ与えて様子を見る「食物経口負荷試験」などを、専門医の管理のもとで行うのが一般的です。 治療の基本は、原因となる食べ物を一時的に除去することです。赤ちゃんの食物アレルギーの原因として多いのは、牛乳や卵、大豆です。授乳中の赤ちゃんの場合は、お母さんがこれらの食品を一時的に控えることもあります。しかし、自己判断で原因食物を除去すると栄養不足につながる危険性があります。必ず医師や管理栄養士の指導のもとで行うようにしてください。
最後に
お子さんの「おなかの不調」が続くときは、アレルギーが関係しているかもしれません。不安に感じたら、まずは小児科医に相談してみましょう。専門医と相談しながら、お子さんのアレルギーと向き合っていくことが大切です。正しい診断と適切な治療を受けることで、お子さんが元気に毎日を過ごせるようなサポートを受けられると思います。