【アトピー性皮膚炎】対策には「3つの柱」が大切
小児一般、小児救急・野田 慶太先生
アトピー性皮膚炎ってどんな病気?
「アトピー性皮膚炎」と聞くと、「かゆくてつらそう」「食べ物が原因?」など、様々なイメージをお持ちの方もいるかもしれませんね。アトピー性皮膚炎は、良くなったり悪くなったりを繰り返す、かゆみのある湿疹が特徴的な病気です。多くは乳幼児期に発症し、年齢とともに良くなることが多いですが、近年は大人になってからも悩まされる方が増えています。
なぜアトピー性皮膚炎になるの?
アトピー性皮膚炎の原因は一つではありませんが、主に「皮膚のバリア機能の低下」と「アレルギー体質」の二つが大きく関わっていると考えられています。 私たちの皮膚は、外部の刺激やアレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)から体を守る「バリア機能」を持っています。アトピー性皮膚炎のお子さんの皮膚は、このバリア機能がもともと弱いため、少しの刺激でもかぶれやすく、乾燥しやすくなっています。そこに、ダニや食べ物などのアレルゲンが侵入することでかゆみのある湿疹が引き起こされるのです。
治療の3本柱
アトピー性皮膚炎の治療は、以下の3つの柱で成り立っています。 この3つをバランス良く行うことが、症状をコントロールし、肌を良い状態に保つための鍵となります。 1.スキンケア(保湿) これが最も大切です。弱くなった皮膚のバリア機能を補うために、毎日たっぷりの保湿剤を塗ってあげましょう。特に、お風呂上がりは皮膚が乾燥しやすいので、できるだけ早めに塗ってあげることが大切です。適切なスキンケアを続けることで、かゆみや炎症が起こりにくい強いお肌を作ることができます。 2.薬物療法 炎症やかゆみを抑えるために、ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬などの薬を適切に使います。「ステロイドは怖い」というイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、医師の指示通りに使うことで安全かつ効果的に炎症を鎮めることができます。炎症がひどいときはしっかり薬を使って肌の状態をリセットすることが、その後の良い状態を維持するために非常に大切です。 3.悪化因子の対策 汗、乾燥、ハウスダスト、ダニ、ペットの毛、特定の食べ物などが、かゆみや湿疹を悪化させる原因(悪化因子)となることがあります。お子さんの症状をよく観察し、何が原因で悪化しているのかを見極めて、できる限り取り除く工夫をしましょう。例えば、汗をかいたらこまめに拭いてあげたり、部屋を清潔に保ったりすることが大切です。
最後に
アトピー性皮膚炎は、正しい知識と適切なケアで、症状をコントロールできる病気です。一番つらいのは、かゆみで夜眠れなかったり、イライラしたりすることです。 ご両親や保護者の方がお子さんのつらい気持ちに寄り添って、一緒に治療に取り組んでいくことが何よりの支えになります。 「これってアトピーかな?」と少しでも心配に思ったら、まずは小児科医や皮膚科医に相談してみてください。お子さん一人ひとりに合ったスキンケアや治療法を一緒に見つけていきましょう。