オンラインも活用したインフルエンザ対策【季節性疾患】
アレルギー、小児救急、小児一般・橋本 興人先生
こどもがインフルエンザにかかったかも?
インフルエンザは、38℃以上の急な高熱、頭痛、関節痛、倦怠感といった全身症状を伴う急性のウイルス感染症です。 特に小さなお子さんや基礎疾患のある方は症状が重くなりやすく、重症化すると肺炎や脳症などの合併症を引き起こす可能性もあるため特に注意が必要です。 ワクチン接種は重症化予防に最も効果的です。 いつもと様子が違う、ぐったりしているなど、気になる症状があれば早めに医療機関を受診しましょう。
家族もインフルエンザにかからないためには?
ご家族の誰かが感染した場合、家庭内での感染拡大を防ぐことが大切です。 看病する方はマスクを着用し、こまめな手洗い・アルコール消毒を徹底しましょう。ウイルスは乾燥を好むため、加湿器などで湿度を50~60%に保つことも有効です。食器やタオルの共用は避け、定期的な換気を心がけてください。完璧な隔離は難しいですが、できる範囲で対策し、睡眠と栄養で免疫を支えましょう。インフルエンザワクチンを接種していない場合は、家族も含めて接種しておきましょう。 看病する保護者自身の休息も忘れないでくださいね。
受験を控えている家族の感染を防ぐ方法は?
ご家族がインフルエンザに感染し、受験を控えたお子さんへの感染が心配な場合、抗インフルエンザ薬の「予防投与」という選択肢があります。 これは治療ではなく、発症リスクを下げるためのもので、保険適用外の自費診療となります。発症を100%防ぐものではありませんが、発症リスクを下げ、症状を軽くする効果が期待できます。 費用や副作用も考慮する必要があるため、ご希望の場合はかかりつけ医とよく相談し、納得した上で判断しましょう。
こどもの体調も良くなってきたかも。登園、登校許可証はどうやってもらえる?
インフルエンザが治癒し、登園・登校を再開するには「発症後5日経過、かつ解熱後2日(幼児は3日)経過」という基準を満たす必要があります。 許可証の発行には、症状の経過、解熱後の期間、食欲・活動性の回復などの確認の上、医師が総合判断します。 保護者の方は記録(発症日、最高体温、解熱日)を残して頂き、必要情報を迅速に提供して頂けると助かります。 オンラインでの許可証発行は、院内での再感染リスクを避け、保護者の皆様の時間的・身体的な負担を軽減するための取り組みです。子育てと仕事で忙しい毎日、便利なツールを上手に活用してください。
最後に、インフルエンザとたたかうお子様・保護者の方へのメッセージ
高熱でぐったりする我が子を見るのは、何よりも辛いことだと思います。しかし、お子さんには自分でウイルスと戦い、乗り越える力が備わっています。焦らず、お子さんの力を信じて見守ってあげてください。 看病で大切なのは、こまめな水分補給です。経口補水液だけでなく、お子さんの好きなジュースやゼリー、アイスでも構いません。 保護者の方も無理せず、休める時に休みましょう。お子様の体調で迷われたり、悩まれた時はいつでも私たち小児科医を頼ってくださいね。