こそだてドクターのおはなし
今冬のインフルエンザ大流行に備える、基本の知識【季節性疾患】
小児一般、新生児、アレルギー・山本 正仁先生
掲載日:2025年12月1日
今冬のインフルエンザ
今冬(2025/26)は全国で10月上旬から流行入りと早めで、学級閉鎖も増えやすい見込みです。 インフルエンザウイルスは、A型とB型に分類されます。A型はシーズンの始めに流行し、その後B型が流行するパターンが多いです。 今冬の主役は、A型はA(H3N2)とA(H1N1)pdm09、B型はV系統が中心です。ワクチン接種と早期受診が鍵となります。
家庭で気をつけるべきポイント
家庭では「距離・空気・手」を徹底しましょう。 患者は可能なら別室で休ませ、看病する側もマスク。1時間に数回の換気をし、食器・タオルは別に。ドアノブやリモコン等はこまめに拭き取り、看病後は手洗い+うがいを習慣化しましょう。
受験期のポイント
受験期は“うつさない・もらわない”が最優先。 抗インフルエンザ薬の予防内服は原則ルーチンでは推奨されず、実施は同居家族の重症化リスクや状況を踏まえ医師が判断します。 家族内で発症したら、まず隔離・換気・マスク、そして早期検査と治療相談を検討してください。
登園や登校時に求められる「許可証」とは?
インフルエンザの治癒証明・許可証は法律上必須ではありませんが、出席停止期間(発症後5日+解熱後2日程度)を満たせば登園・登校可能です。 園校や自治体によっては提出を求められる場合もありますが、オンライン発行に対応していれば流行期の受診混雑や院内感染リスクを減らせます。 手続きは各施設の案内を確認してください。
先生から、保護者のみなさんに伝えたいこと
子どもは熱が下がっても咳やだるさが残りがち。解熱後2日ほどは無理させず、睡眠と水分、食欲の回復を優先。登校再開後もしばらく運動は控えめに。家族も“誰が休むか”を事前に話し合い、祖父母・職場・病児保育など頼れる所に早めに頼りましょう。