こそだてドクターのおはなし

子育て中の医師からみた、小児のインフルエンザ【季節性疾患】

小児一般・京極 都先生

掲載日:2025年12月1日

こどものインフルエンザはどう対処すべき?

インフルエンザは、高熱、咳、頭痛、筋肉痛などを特徴とする急性のウイルス感染症です。 小児では高熱が長引くことや、脱水、けいれん、急性脳症などの合併症に注意が必要です。抗インフルエンザ薬の早期使用はウイルス増殖を抑えますが、発熱した直後は検査で陰性となることもあるため、受診のタイミングを見極めることが重要です。

家庭内感染予防でできることは?

家庭内での感染拡大を防ぐには、手洗い、換気、マスクの着用が基本です。ただし、子どもと暮らす中で感染を完全に防ぐことは現実的には難しいことが多いです。 看病する保護者はマスクを着用し、可能な範囲で寝室を分けるなど、生活空間の工夫が感染予防につながります。特に新生児などの小さいお子さんがいる家庭では少し丁寧な対策が推奨されますが、無理なく続けられる範囲で十分な効果が期待できます。

予防投与ってなに?

家族にインフルエンザ患者が出た場合、受験を控えるお子さんに対して抗インフルエンザ薬による予防投与を検討することがあります。 対象は「受験が差し迫った期間」に限られ、あくまで補助的な手段です。基本はワクチン接種、手洗い、十分な休養と体調管理です。判断に迷う場合は、早めに医師へ相談することが大切です

登園・登校許可証もオンライン発行できるの?

登園・登校許可証のオンライン発行は、保護者の負担を大きく軽減します。 病院での待ち時間を減らせるだけでなく、院内で新たな感染をもらうリスクも減らせます。兄弟児のケアや仕事との両立にも有効で、医療側としても迅速な対応や流行期の混雑緩和にもつながるという利点があります。

保護者のみなさんに伝えたいこと

小児のインフルエンザは高熱が出やすく、熱性けいれんや熱せん妄が起こることもある感染症です。 熱があっても元気で、しっかり水分が取れていれば大きな心配がいらないことも多いです。ただし、「いつもと様子が違う」「ぐったりしている」といったサインがある場合は、早めに医療機関へ受診してください。 一人で抱え込まず、必要に応じて医療者に相談することが重要です。