こそだてドクターのおはなし

「インフルエンザ」ってこわい?〜予防と治療のポイント〜【季節性疾患】

小児一般、小児救急・野田 慶太先生

掲載日:2025年11月21日

「インフルエンザ」ってこわい?〜予防と治療のポイント〜

冬になると、ニュースでもよく耳にする「インフルエンザ」。お子さんの体調が心配になりますよね。インフルエンザは、インフルエンザウイルスが引き起こす感染症で、普通の風邪とは違い、急な高熱や全身のだるさ、関節の痛みなどの症状が強く出るのが特徴です。 このコラムでは、インフルエンザからお子さんを守るための予防策と、もし感染してしまった場合の対処法についてお話しします。

インフルエンザの主な症状は?

インフルエンザは、突然の38度以上の高熱で始まることが多いです。 発熱以外にも、以下のような症状が見られます。 ・悪寒(寒気) ・強い全身のだるさや倦怠感 ・関節や筋肉の痛み ・頭痛 また、咳や鼻水、のどの痛みといった風邪に似た症状も出ますが、全身の症状が強いのが特徴です。お子さんの場合は、熱性けいれんや、ごくまれに脳症といった重い合併症を引き起こすこともあるため、特に注意が必要です。

予防が一番大切!

インフルエンザからお子さんを守るには何よりも予防が大切です。 ・インフルエンザワクチンの接種 ワクチンは、インフルエンザの発症そのものを抑えるだけでなく、もし感染してしまっても、重症化を防ぐ効果が期待できます。特に小さなお子さんや持病のあるお子さんには、積極的な接種をお勧めします。流行する前に早めに接種しておくのがポイントです。 ただし、6ヶ月未満のお子さんには推奨されていません。周囲の方が接種することをおすすめします。 ・手洗いとマスクの着用 外出から帰ったら、石けんで丁寧に手を洗い、うがいをしましょう。人混みに行く際にはマスクを着用することで感染リスクを下げられます。 ・適度な湿度と換気 インフルエンザウイルスは乾燥した空気を好みます。加湿器などを利用して、部屋の湿度を50〜60%に保ちましょう。また、こまめな換気も大切です。

もしインフルエンザにかかったら…

もし、お子さんがインフルエンザにかかってしまったら、以下の点に留意して対処しましょう。 ・早めに医療機関を受診する 発熱してから48時間以内に抗インフルエンザウイルス薬を服用することで、症状の期間を短くしたり、重症化を防ぐ効果が期待できます。高熱が出たら、かかりつけ医に相談しましょう。 ・安静にして水分補給 水分が不足すると脱水症状になることがあります。水や経口補水液などで、こまめに水分を摂らせてあげてください。 ・学校や園は休む インフルエンザは感染力が非常に強い病気です。熱が下がってから2日、かつ発症後5日を経過するまでは、学校や保育園は休ませるのが一般的です。

最後に

インフルエンザは毎年流行する病気ですが、正しい知識と準備があれば、過度に心配することはありません。日頃から予防を心がけ、もし感染しても慌てずに適切な対応をとりましょう。