季節性疾患【急性上気道炎】
小児科一般、小児循環器、アレルギー、皮膚疾患・六郷由佳先生
急性上気道炎とは?
急性性上気道炎は咳や鼻水,咽頭痛などの上気道に炎症が起きる疾患です。
原因
急性上気道炎の原因の大半は風邪とよばれるウイルスの感染です。ライノウイルス、コロナウイルスなどが主なウイルスになります。集団生活が始まる年齢になると、これらのウイルス感染は頻繁に起こります。お子さんから大人まで どの年齢層でも起こりえます。
症状
主な症状は発熱、咳、鼻水、鼻づまり、咽頭痛などで、通常、数日から1週間程度で自然に治癒します。
受診のポイント
軽い咳や鼻水などの症状であれば、しっかり栄養や水分をとり、加湿をしたり鼻水の吸引などのホームケアで様子を見られてよいでしょう。しかし、発熱、鼻水や咳のせいで、よく眠れない、食欲が落ちている、特に小さい赤ちゃんでミルクが飲めないなどの場合には、医療機関を受診されて適切なお薬の処方を受けると安心ですね。
上手な解熱剤の使い方
例え39-40度の高熱でも、お子さんが一人で機嫌よく遊べていたり、しっかり食事や水分が摂れて、よく眠れるような状態であれば慌てて解熱剤を使用しなくても大丈夫です。逆に37-38度程度の発熱でもぐったりしている、グズグズ、よく眠れないなどの時には、解熱剤を使うよいタイミングです。 ※体温の数値よりもお子さんの様子を見て使うかどうか決めましょう。
注意が必要なサイン
➀呼吸が苦しい:胸がへこむ呼吸(陥没呼吸)や呼吸回数が早い場合。 ②咳の様子が普段と異なる:犬が吠えるような咳や胸の奥からヒューヒューするような音がする場合。 ③強いのどの痛み:喉の痛みのために物が飲み込めないなどは、溶連菌感染などの可能性もあり。 ➃長引く症状:2週間以上も咳が続く場合は、副鼻腔炎や咳喘息、気管支喘息、アレルギーなどの関与も検討が必要。 ⑤発熱が4-5日以上長引く:ウイルス感染をこじらせ細菌感染を併発した可能性などを考える必要がある。