季節性疾患【手足口病】
小児救急、アレルギー、感染症、小児科一般・河合亜紀先生
手足口病の特徴
手足口病は、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスによって引き起こされる感染症で、通常は軽症で経過します。発熱、口内炎、手や足、お尻周辺の発疹により診断されます。主に感染者の唾液や糞便を介して口から感染することが多いですが、接触感染や空気感染も起こり得ます。通常は数日から1週間程度で自然に治癒します。
手足口病の症状
主な症状には、発熱、口腔内・手のひら・足の裏に現れる水疱が有名ですが、手足口だけでなく、お尻や膝にも水疱が出ることが多く、私は診断の際「手足口病は手足口膝お尻病ですよ」とご説明しています。
手足口病の治療
手足口病は、ウィルス感染症であり、対症療法が中心となります。通常は自然に治りますが、症状を軽減するためにいくつかの対処法があります。 一般的な治療法は以下の通りです ①症状を和らげるための薬:痛みや発熱を和らげるために、鎮痛剤や解熱剤を使用することがあります。ただし、小さな子供には医師の指示に従って使用する必要があります。 ②気をつける食事:柔らかくて食べやすい食事を選び、刺激の少ない食品を摂取することが重要です。プリンやゼリー、ゼリー飲料などは重宝します。冷たいものは飲み込みやすいので、ぐったりしているときは冷たく冷やして与えたり、下痢がなければアイスなどを与えても構いません。口の水疱が痛く、水分が取れにくいこともあります。痛みが強いときは、冷たく冷やして与えるなどが有効ですが、それでもを十分に摂取できなかったり、乳児は脱水になることもあり、その際は医療機関での点滴が必要です。 ③休息:十分な休息を取ることが、回復を助けます。体力を消耗しないようにしましょう。
手足口病の予防
①手洗い:こまめに手を洗うことが大切です。特にトイレを使用した後や外から帰った後、食事の前などに手洗いをするようにしましょう。 ②マスクの着用:感染者との接触が予想される場合や、自身が感染している可能性がある場合にはマスクを着用することが推奨します。 ③衛生管理:家庭内や共有スペースの衛生管理を徹底することも重要です。定期的な換気や消毒を行い、清潔な状態を保ちましょう。 ④感染者との接触の制限:手足口病の感染者との接触を避けることも予防策の一つです。感染者がいる場合には、密接な接触を避けるようにしましょう。 ⑤適切な食事:栄養バランスの取れた食事を摂ることで、免疫力を高めることができます。特にビタミンを含む食品を積極的に摂取するように心がけましょう。 ⑥個人の衛生意識の向上:自身の体調管理にも気を配ることが重要です。不調を感じた場合は早めに医療機関を受診し、感染の拡大を防ぐためにも適切な行動を取りましょう。 手足口病は特定の治療法がないため、予防が重要です。特に感染リスクの高い環境では、これらの予防策を積極的に実践することが大切です。